【始動編・ゲームの世界が壊れる刻 第6章】

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あの、大きなモニターの在る、何かの計画を遂行するコントロールルームは。 世界とは隔絶された暗闇に閉じられた空間の様だ。 そして、其処より計画されるものとは、一体何か。 その影を追うとするならば、その最初(はじまり)は、皇輝がメフィストゥと遭遇する前。 日本時間で云うと、ゲーム発売直後より始まっていた。 そして、日本時間で云うと、その発売日の真夜中と成ろうか。 皇輝と佳織が、最初の休憩を取ろうと云う時間帯に。 誰もそれが、これから来る破滅の予兆とは、全く思わないのだが。 海外では、異変が起こるのだった。 異変を起こす行動は、或る場所から始まる。 皇輝がゲームを開始してから、約6時間後。 日本時間では、真夜中の午前2時頃に成ろうか。 何処に、そのフロアが在るのか、それは解らないが。 汚れもない真っ白を基調とした六角形の部屋で、宇宙船の中ではないか・・と思える場所にて。 白い宇宙服に似たジャケットやズボンを身に付けた数人の男女が、壁際の宙に浮くグラフィックモニターを前にして。 様々なデータを眺めながら忙しなく手を動かし働く、そんな場所が在る。  そして、その部屋の中央には、光沢の在る銀色の床と手摺りに囲まれた、円形の特殊なフィールドが在り。 其処では、七色に光を反射するスコープを掛けた黒人女性が、白くデザイン性に富んだスーツ姿で立っていた。 特殊なフィールドの中央に立つ彼女。 その身の周りを中心に、幾つものグラフィックウィンドウの画面が回る。 その一つを見れば、世界のニュース速報が流れたり。 別のウィンドウには、皇輝達がプレイするゲームの売れ行きや反響を含め、株価が急に値下がりし始めたニュースを。 時差と云う意味から、日本より早く放送していた。 それを見知る白いスーツ姿の黒人の女性は、引き続き自身の周りを回る他の画面を指で止めて見る。 では、ニュース以外に、どんなものを見ているのか。 例えば、西側の世界(ヨーロッパからアフリカ諸国、北米、南米など)にての、F・S利用状況。 または、〔迷路~ラビリンス〕をプレイする、西側諸国の割合。 そして、何故だろうか。 皇輝達が必死に成る、ゲームの進行現状まで見ている。 さて、ゆっくりと自分の周りを回り動くデータや情報や映像画面を見つつ。 白いスーツ姿の黒人女性は言う。
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