【始動編・ゲームの世界が壊れる刻 第6章】

3/31
前へ
/31ページ
次へ
「みんな、聴いて。 遂に、計画の段階を進める、テストプレイヤーが決まりそうだわ。 今、ゲームをして居るプレイヤーが、宇宙(そら)へ新たな〔HEAVEN'S DOOR〕を生み出すまで、撹乱のサポートをするわよ」 すると、数名の男女は、手を動かすだけでは無く。 「フューリープログラム、何時でも流入可能」 「対象プレイヤー、ランダム選定の準備も整っています」 「日本を含むアジア全域、ヨーロッパ、中東全域、アフリカ諸国、北米、中南米も領域に入っています」 と、言われ。 また、別のスタッフが。 「ネットワークのダミーデータ、構築完了。 あらゆるアクセス、妨害工作に対して、対応率99.284%」 何等かの準備が完成されている、と云う報告が続く。 中央の特殊なフィールドに立つ黒人女性が、データの合間と成る空間に手を翳せば。 其処には、新たなるウィンドウが現れる。 指先一つで、彼方此方をクリックして、何かのファイルを開くと。 〔YES/NO〕 と、どちらかを問う表示が現れた。 明らかに、何かを起こそうと云う感じなのに。 黒人女性は全く何の躊躇も見せずして、〔YES〕を押したのだった。 ― フューリープログラム、起動。 対象者、ランダムに検索して、マインドコントロールを開始します ― 音声ガイダンスの様な、無機質な声を聴いた黒人女性は、その画面を指先で弾いて。 自身の周りを回る各データの中に混ぜると。 「さ、〔アポカリプス・プロジェクト〕を、今から始動するわよ」 と、その場に告げる。 四方の壁際に散るスタッフの内、背の高い黒人の男性が、タッチパネルを指先で操作しながら。 「了解」 と、言葉を返した。 その後、別の操作する白人女性が。 「フューリープログラム始動、確認。 選定、安定して選択中」 と、返す。 中央のフィールドに立つ黒人女性は、今度は別の白人スタッフへ。 「さ、〔セレクト アンド チョイス〕を開始して。 東京の計画が成功して〔NEO HEAVEN'S DOOR〕が出来たら、どんどんプレイヤーを送り込むわよ」 背中に言われた白人スタッフは、 「DNA選定プログラム、起動します」 と、言って返す。 彼は、座る体勢から全面のグラフィックモニターに指先をのばして、タッチ操作で作業を開始したのだ。 その彼の操作を受けて、細いフレームの眼鏡をした東洋人の女性スタッフが。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加