【始動編・ゲームの世界が壊れる刻 第6章】

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そして、日本では時間からして、朝の7時に成ろうかと云う頃。 インド、タイ、マレーシア、中国、ロシアと。 やはり、狂った人間が次々と暴れて、射殺されたり。 捕まり、病院へと収容されて行く。 一体、この黒人女性は、何をしたのだろうか。 そして、狂った人々とは、どんな関係が在るのだろうか…。 そして、遂にその狂った人間は、日本でも…。 日本時間にて、ラビリンスの発売より一夜が明けた朝。 国会議員が、外より車で国会へと帰って来た。 後部座席に座るのは、眼鏡をしたちょっと長身でふっくら体型の議員。 地下駐車場に入る頃。 「野党のあのバカ議員、こっちが折れるまで粘るつもりか? 休憩でF・S・Cに行くしかないなんて、何て日だっ」 と、車を降りる。 年配の秘書は、運転席より降りるのだが。 (幾ら世界的に注目されたゲームだからって、国会や他の話し合いも紛糾している最中の休憩時間に、外へ遊びに行くなよ。 変装がバレてTVや雑誌に出ても、私は知らんぞ) と、内心で思う。 この議員、今は与党の議員として、産業省の副大臣なのだが。 F・Sのゲームがやりたいと、真夜中の休憩時間に抜け出して。 F・S・Cに出向いては、4時間以上も遊んでいた。 処が、今は大変な時期だ。 原子力エネルギーを使わなくとも、電気エネルギーが賄える時代となり。 稼動させるだけで金を産む原子力エネルギーは、古い形態の電力会社から貰える寄付金に繋がる為、与党の古株議員としては大切な金蔓なのだが…。 老朽化した原子力施設の廃炉や取り壊しを迫る野党や民意と。 それを改修して、数十年は使わせて欲しいと云う旧電力会社。 双方の間で、真っ二つに意見が分かれて居て。 与党内でも、若手議員は廃炉や取り壊しもヨシとする者が居る。 原子力施設が在る地方から出る与党議員には、票と金を併せ持つ旧電力会社は仲良くしたいのだが…。 また、その廃炉や改修費用は、国民の税金や新エネルギー事業者に負担させたい与党や旧電力会社。 一方、潰す費用を国民負担や関係無い新エネルギー事業者に回すなと。 与党と野党の担当者の間で話し合いが収まらず。 今は、通産省や総務省の大臣クラスを交え、存続か廃棄かの話し合いを与野党の議員で話し合っている。 その話し合いが、今は大詰めを迎えているのだが。 過半数を持つ野党の議員が強気で、与党は非常に困っていた。
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