【始動編・ゲームの世界が壊れる刻 最終章】

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「恥ずかしながら、ハッキングなどで少々。 流石に、10年前の僕は、まだ3歳。 当事者には成れませんが、F・Sは発売初期から買って貰えたもので。 凄く好きで、色々と知りたく情報を集めています」 此処で皇輝は、 「じゃ、探し回るよ。 そのシークレットって条件は、メフィストゥに付加されたもので。 今回は、クイズの書かれた紙を探す必要が在るんだ」 と、言うと。 「ならば、僕も少し御一緒します。 このイレギュラーは、非常に興味深い。 ホストさんに、もう少し話を聴きたいんで」 「それは構わないよ」 二人は、完全に遮蔽されて開かないガードシールドが在る為、降りて調べられないレーン《磁力電車専用レール》以外。 ホームを隅から探し回る事にする。 ジョン少年は、自販機の裏を見ながら。 「今のやり取りと窺うに、ホストさんは特に大変そうですね。 最初からメフィストゥって何かに遭ったら、一人だけだと信用されなそうです」 「お察しの通り。 責任を押し付けられて、ほとほと困ってるよ」 「混乱すると、しわ寄せがホストさんに向かうんですね」 「あぁ」 ホームを歩き始めて話し合う皇輝は、説明から続く話の流れとして。 「然し、メフィストゥも言ってたけど。 10年前の事故の時に存在した、‘メフィストゥ’と云うプログラムが。 何でこのタイミングで、このゲームに入って来たのか。 俺には、サッパリ解らないよ」 と、言う。 他人にこの話をするのは、佳織以外ではこのジョン少年が次となる。 DAIMONにも、話しをしてない。 すると、階段裏を見ていたジョンが、わざわざ皇輝の方へ向いて。 「メフィストゥと云うモノが、その話を持ち出したんですか?」 と、興味を持って聴いて来る。 「あぁ。 俺にだけは、ハッキリと言った」 「然し、ホストさん。 10年前のあの事故の話を、よくすんなり理解しましたね?」 「いやぁ・・まぁね。 本音を言えば、俺もF・Sの事は開発当時から、前身のF・P時代から非常に気にしていたからね。 あの事故は衝撃的だったから、詳細な記事を一度は読んだし。 その時の記憶がフッと思い出されて、推測で言った話がメフィストゥの話と噛み合ったのさ」 「へぇ…」 ジョン少年の意外そうな顔は、歩こうと身を立たせた皇輝の視界に映り込んだ。 (ゲームじゃなく、F・S自体に関心が向いてるな…)
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