【始動編・ゲームの世界が壊れる刻 最終章】

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新たなステージの始まりに当たり、皇輝の不安は更に増した。 コミュと云う集まりの中に来た、自分を抜くと8人の面々。 Charlie、DAIMON、佳織、麻衣、刹那と、クリアを目指して協力的な者が居る反面。 新たに加わった3人は、懐疑的な雰囲気を崩そうとせずに居る。 ま、確かに。 この異常な事態の中で、全て信用して欲しいと言っても。 大した親交も無しには、それも無理だろう。 また、レッドカラーと云う異常のシグナルを発し。 ゲームの世界に戻って来ない者達は、本当に、確実に、絶対と言えるほどに‘死’と直面して居るのか。 その誰にでもはっきり解る答えや証拠は、皇輝も持ち合わせていない。 ‘半信半疑’と云うバランスが、どちらか一方に傾き始める時。 このゲームの中は、一体どうなってしまうのか。 その最悪の事態を薄々だが考える皇輝の胸中は、恐れや不安に支配されても仕方が無い。 そして、その不安や恐怖の本体とも言えるメフィストゥは、本当の所でどんな存在なのか。 皇輝はクリアを目指しながら、その影を模索する。        ★ さて、新たなステージへと、光より抜け出た皇輝は、目に入る見慣れた光景に固まった。 「う、嘘・・だろ?」 透明な筒状のガードシールド、地下鉄仕様のプラットホーム。 皇輝の横に居る刹那は、ガードシールドの先に見えた駅の名前を見て。 「マジかよっ、此処は‘東京駅’だっ!」 慌てて、メニュー画面を出す皇輝の耳に。 〈皇輝さん、佳織っ! 今、‘八重洲南口’付近に居るんだけどぉっ〉 〈了解。 此方は、地下鉄丸の内線乗り場です。 刹那さんと、二人スタートです〉 〈こっちは、サトミさんと〉 其処へ、チャットが入り。 〈此方、DAIMONだ。 麻衣さんと二人で、赤煉瓦駅舎に居る〉 〈此方、美咲。 ホワイトさんと、恐らくセントラル・センチュリー・プレイスの最上階に居るわ〉 〈此方、Charlie。 一人で、台丸デパートビルの最上階に居るよ〉 チャットを聞きながら、皇輝は早くもステージ情報を黙読。 〈皆さん、此方はホスト。 クリア条件が、また元に戻り。 制限時間内、踏破率71%以上、チェックポイント、シークレットパスワードと有ります。 一気にステージが拡大し、タイムも大幅に増加。 おそらく、別のコミュが丸々入って来る可能性が有ります〉
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