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「だ、だがよ。 このホストが全て本当の事を言ってるとは…」
指を差された皇輝だが。
(この状態じゃ、これが普通だな…)
と、諦める。
確かに、少年の言う通りに、発売されてからこれまでに。 F・Sで事故と言えるのは、一回も無い。 ゲームのデータが可笑しかったり、プログラムが可笑しくてのエラーは有った。 だが、F・Sの機能そのものが破滅的なエラーを起こした事は、一回も無いのだ。
そして、そんなエラーが出た処で、突然に‘死ぬ’と言われれば。 誰だって‘ふざけるな’と、言いたくもなる。
だが、その空気を変えるのは、この少年で在る。
「‘可笑しい’のは、確かに可笑しいです。 ですが、コミュのゲームの経過を窺うに。 昨日の夜、このホストさんはゲームを始めてます」
「それがどうした?」
「昨夜に始めて、この今の時点まででも、最低2回は休憩に向かったハズ。 なのに、この異常の中で外部に連絡をせず、ゲームをプレイし続けるのが不自然です。 ですが、外部と連絡を取ると死ぬかも知れない。 その答えが、他に居るレッドカラーと成った方だとすれば。 ホストさんの話も信憑性が出て来ます」
「そ、それは・・お前の憶測だろう?」
「では、逆に教えて下さい。 この現状はゲームのデータはもとより、F・Sの本体情報だけではなく。 本体のシステム管理をする、開発元の二社が作ったF・S本部のマザーシステムにも入り込んで、直接改ざんしないと絶対に無理です。 そんな事をする人が、何でこのゲームで遊ぶんです?」
こう問い返された迷彩服の男性は、困った顔に変わり。
「そっ、そんなのっ、俺には・・」
困る彼へ、少年は。
「そのメフィストゥと云うと者、多分はタダのキャラクターじゃないですよ。 大体、最初から隠れキャラが出る訳ないですし。 こんなイレギュラーが起きてる上、レッドカラーと成った人が元気でいる保証がない今。 その可笑しいメフィストゥなる者からクリアしろ、と云うならば。 ゲームを進めながら、外部からの助けを待つしか無いですね。 このホストさんを責めても、コミュに組み込まれてしまいました。 コミュから抜け出る手立が無いのに、勝手な事をすれば。 今度は、我々がレッドカラーに成りますよ」
「だっ、だがよ。 コレとか、このホストがやった事ならば…」
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