【始動編・ゲームの世界が壊れる刻 最終章】

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思い付きで、迷彩服の中年男性はまた皇輝を指差した。 処が、少年は酷く冷静にして。 「あの、例え此方のホストさんが、この異常を作ったとしても。 最初にレッドカラーと成った人は、今から5時間ぐらい前の朝方過ぎ。 それから短時間の間に、8人もの人がレッドカラーに成って。 普通ならば、外部から全く助けが来ない訳が無いですよ?」 「あ、あぁ・・そうか。 異常を起こした人は、全て現実に戻ってるんだもんな。 一人や二人なら、一人暮らしも当てはまるが。 8人も出れば、誰か異常に…」 少年は、頷いて。 「こんな異常は、一プレイヤーには無理だと思います。 もしかしたら、F・Sの運営内部に居る者の犯行かと…」 「何てこったっ!」 其処まで言うと少年は、驚く迷彩服の彼へ。 「僕は、ホストさんと一緒にゲームを進めながら、様子を見る事にします。 闇雲に行動をしなくとも、休憩に入った時で現実の自分を見れば。 このホストさんが言う事の真偽が、直ぐに解りますし」 すると、迷彩服の中年男性は、 「それなら俺は、ゲームの中で少し休ませて貰う。 ‘銀の鈴広場’で、考えさせて貰う…」 と、皇輝を見る。 「どうぞ。 協力を強制するつもりは、毛頭も有りませんから…」 迷彩服の中年男性は、混乱を来した表情を浮かべては、何もかもを疑う様な、そんな印象を見せて階段へと。 皇輝と少年は、その男性が消えるまで見送るのだが…。 皇輝は、少年を見返すと。 「此方は、ホストの皇輝。 呼び方は好きにしていいよ」 すると、少年も皇輝を見返し。 「僕は、〔ジョン〕と呼んで下さい」 皇輝の見返す少年は、銀髪をした頭の良さそうな印象をする。 顔付きもスマートで、年齢を重ねると17・8歳でも、更に大人っぽく思えて来そうだ。 だが、 「処で、ジョン君は、こうゆう状況に慣れて居るのかい? 随分と冷静そうだけど」 皇輝の印象として、先に逢ったDAIMONよりも冷静そうな印象のジョン。 メフィストゥに遭遇して無い割には、よくもすんなりと受け入れられたものだ、と思う。 ジョン少年は、ゲームのクリア条項を見ると。 「いえ、僕はF・Sマニアでして。 この状況、メフィストゥと云う異質な存在の登場は、10年前のイベント事故と似ています」 ジョン少年の発言に、皇輝の目がスッと細まる。 「10年前の事故を、君は知ってるのかい?」
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