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「お待たせ」
馴れ馴れしく、ジュリアさんと私の間に座ってきた金髪が、No,1の『カイ』
ジュリアさんの反対側に座った黒髪口髭が、No,2の『ケイ』
「へぇ~、キミ、ジュリアちゃんの後輩なんだ?
名前は?」
金髪が、またも馴れ馴れしく話しかけてくる。
「マリアです…
似合わないですよね(笑)
マリアなんて名前、大嫌いなんですょ」
一瞬、黒髪口髭が驚いた顔をした気がした。
私は自分の名前が嫌い。
でも、面倒だから源氏名もマリアのまま。
「バカだな、似合う似合わないは別として、名前なんか、同業者なんだからどうにでもなるだろ。自分が好きな名前を名乗っちゃえばいいんだよ」
金髪の言い方はぶっきらぼうだったけど、なんか嫌じゃ無い。
「嫌い?……マリア…綺麗な名前だ。
俺は似合ってると思うけどな」
文字でみたら、寒気がするようなセリフなのに、
黒髪口髭の発する声は、ゾクッとするくらい甘くて思わずドキッとしてしまう。
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