第一章

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「お待たせ」 馴れ馴れしく、ジュリアさんと私の間に座ってきた金髪が、No,1の『カイ』 ジュリアさんの反対側に座った黒髪口髭が、No,2の『ケイ』 「へぇ~、キミ、ジュリアちゃんの後輩なんだ? 名前は?」 金髪が、またも馴れ馴れしく話しかけてくる。 「マリアです… 似合わないですよね(笑) マリアなんて名前、大嫌いなんですょ」 一瞬、黒髪口髭が驚いた顔をした気がした。 私は自分の名前が嫌い。 でも、面倒だから源氏名もマリアのまま。 「バカだな、似合う似合わないは別として、名前なんか、同業者なんだからどうにでもなるだろ。自分が好きな名前を名乗っちゃえばいいんだよ」 金髪の言い方はぶっきらぼうだったけど、なんか嫌じゃ無い。 「嫌い?……マリア…綺麗な名前だ。 俺は似合ってると思うけどな」 文字でみたら、寒気がするようなセリフなのに、 黒髪口髭の発する声は、ゾクッとするくらい甘くて思わずドキッとしてしまう。
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