第一章

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あの日、その人は私を真っ直ぐに見つめていた。 私はその人の目が怖かった。 目を逸らしても感じる視線に、不安と居心地の悪さしか感じなかった。 けれど、今でも目を閉じれば思い出す。 あの時のその人の目を。 私は一生涯忘れることはない。 そこは、新宿では老舗のホストクラブ。 キラキラのシャンデリア。 騒がしいシャンパンコール。 地味で華がない私の勉強の為にと、先輩ホステスのジュリアさんが連れてきてくれたお店だった。
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