第一章

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一応、同じ水商売。 勉強になるかなって思って付いてきたはいいけど、ウチの店とは違いすぎた。 まず空気が違う。 酒と香水とタバコの匂いで吐きそう。 ウチの店なら、いつも美味しい匂いが漂ってて、 こんな緊張感もないのに。 ジュリアさんは、目当ての男はまだ来ていないようだったが、 若い入りたてだという男の子に夢中で、私の戸惑いには気づかない。 お酒も不味い… 若いホスト達のヨイショトークもうんざりだった。 「帰りたい…」 小さく呟いた。 そんな時だった、テレビの中でしかお目にかかれない様な美男美女四人組が入ってきたのは。 店中の空気が一瞬で変わった。 ジュリアさんのテンションも上がった。
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