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アキツとシギが退室した後、ヒミは近くにあった金で出来た杯を床に投げつけた。重たい音が響いた。
「落ち着きくださいませ。女王様。」
火の祭祀、マサカヤが杯を拾った。
マサカヤは女王よりも幾つか年上の男性である。祭祀というよりは戦士に相応しいような筋肉質ながっちりとした体格に短い赤茶色の髪だ。
「落ち着けるわけがないでしょ!あのアマ!変なもん作りやがって!夜の国と岩の国と共に!火の国を抑えるつもりか!」
「お口が悪いですよ。」
マサカヤは眉を潜めた。
「こちらに対する牽制ではありませんか?ナミ女王は戦をお望みではないはず。」
ヒミは唇を噛んだ。
「でも、三国が手を組んだてっことでしょ。」
「どうでしょう。夜の国はあまり他国とは関わらないようにしてきましたし。」
「問題は、その石を何個作ってるかよ。」
マサカヤは天井を見上げた。
「女王様。ここはアキツ姫を動かれてはいかがですか?」
ヒミはマサカヤに視線を向けた。
口元を吊り上げた。
「罰、ね。」
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