5 プロの意地を感じる、干し柿のパウンドケーキ

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「たいぎゃ、久々。『ただいま』って言ってもらえるなんてね」  その言葉に。明里は、美里を見た。 「ご飯、できているよ」 「わあ、ありがとう」  けれど、気分を変えるように、美里が言った。  明里は、思わず笑顔になって礼を言う。 「お礼言ってくれるの?」 「だって、手間じゃない」    一人暮らしが長い明里は、基本的に自炊である。家族がいない分の気楽さはあるが、それでも食事作りは手間だ。 「世話になるとだけん、家事はするって」 「まあ、そぎゃんばってん、嬉しかたい」 「そう言えばね」  照れくさいのか、美里は話を変えた。 「私、思い付いたんだけど。干し柿を柔らかくする方法って、ヨーグルトに漬けたらよかとじゃなか?」 「ヨーグルト?」
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