プロローグ

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「お疲れ様」 上司である店長にそう声を掛けられた。 「お疲れ様です。先に上がらせてもらいますね。」 オレの名前は黒薙 隼人 24歳 独身で彼女はいない 地元から転勤してきて2年。 職場であるこの販売店の副店長を勤めさせてもらってる。 「すぐに空港に向かうのかい?」 「いや先月愛車も購入したんで、車で里帰りしようと思ってますよ」 今日は約1年振りに地元に帰る日だ。 景気がいいとはお世辞にも言えないこんな世の中で一週間の有給を消化させてもらえるなんて良い会社だと思うよ。 まぁ給料はそんなに良いとは言えないんだけど。 「そうかい。車で帰るのならかなりの距離だし気を付けてね。一週間ゆっくりとリフレッシュしてきてね」 「ありがとうございます。お店のみんなにもお土産を買ってきますので楽しみにしていて下さい。」 そう言って従業員専用の駐車場に歩いて行った。 「22時か」 まぁ今から夜通し車を走らせて、途中のサービスエリアで仮眠を取れば明日の朝には実家に到着出来るか。 愛車を買ってからはまだこの辺りしか走らせてなく、今回の里帰りが初の遠出だ。 年甲斐もなく心が踊ってしまう。 地元を出てから、毎月毎月貯金をしてやっと原付で職場に通い先月手に入れたオレのBOXカー。 これで地元の仲間に自慢できるってもんよ。
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