第一話『神の強運』

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「こんなゲームが有るんだね。全然知らなかった。おにいちゃんに借りてやってるんだけど、こんなに思いのままに、体が動かせるんだね。」 と、くるっとバク転してみせた。 「すごいすごい!」 僕は素直に彼女にそう言った。 ありがとう、ありがとうと彼女は言った。 「わたし、ゲームやらないから、わからないんだけど、このケームって、パーティを組んで戦うんでしょ?」 「そうそう。いろいろなスキルがあるからね。」 「じゃあ、一緒にやろうよ。君もレベル1でしょ!?」 そう、確かにレベル1なのだ。ただし、この世界最強のレベル1なのだが。それはともかく、パーティを組めるのは助かるので嬉しかった。 「ぜひ!僕はジュンだよ!」 「私はサラ!本名は桜田恭子」 と、自己紹介として、サラは気がついた。 「あ、ネットゲームで本名言っちゃダメだって、お兄ちゃんに、言われてたんだった!!」 慌てるサラ。 「ま、いいか!本名は忘れてね!ジュン!」 ウインクするかしないか、目を細めて、こちらに向かって微笑んだ。 正直、かわいい以外の感想が浮かばなかった。
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