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【美咲と健太@放課後の音楽室】
「健太ぁ。ちょっと聞きたいことあるんだけど」
「なんだよ」
「あんたのブレザーのボタンって、すでに予約入ってんでしょ?」
「予約って」
「卒業式で、そのブレザーのボタン下さい、って言われたか?ってこと」
「そうだね。言われたような気がする」
「って何人に言われたのよ」
「10人くらいだったような気がするけど。覚えてねぇよ」
「あっそっ。じゃぁネクタイは?」
「ネクタイは入学式の日に、真菜に予約された」
「あっそっ。真菜らしいわ。じゃぁワイシャツのボタンは?」
「ブレザーのボタン欲しがってた女の子が、もし無理ならワイシャツのボタン下さい、って言ってたような気がすっけど」
「そっか。みんな考えること一緒ってことね」
「お前は俺のボタンなんか必要ねぇんだろ。大体俺のこと興味ねぇみたいだし」
「一応言っておきますけど、私はあなたに好意を寄せております。態度がそれっぽくないのは育ちのせい。好きな人は?と聞かれたら、あんた、って言います」
「怖えぇよ。そんなに怒った顔で好きって言われても、うれしくねぇじゃんか」
「あいむ総理・・・そーりー大臣」
「それって明治時代に流行ったギャグか?」
「昭和らしいけど。んなことより、あたしもあんたの何かを記念に欲しいのよ。あんたを好きだったという証に」
「俺を好きだった証?本気かお前」
「ホンキートンク」
「何だよそれ。ついてけねぇ」
「じゃぁ、率直に言わして『いただきまーす』」
「ごちそうさま」
「って逃げんの?」
「うそぴょーん。早く言ってみろよ」
「あんたのワイシャツ一枚まるごと、卒業式であたしに下さい」
「この学校で一番イケメンの俺様のワイシャツを、美咲にってか?だってワイシャツのボタン欲しいって子もいるんだぜ」
「そこを何とか。ワイシャツはまるごと一枚、美咲に渡すことにした、って、その子に断っていただいて」
「ダメよーダメダメ」
「おネェか、あんたは」
「話ってそれだけ?バイビー」
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