1人が本棚に入れています
本棚に追加
正直、まともな返事は期待してなかったので、無視することにした。
「じゃあ、次ですけど…。その討伐をする魔物はわかってるんですか?」
「知らん」
即答だった。が、俺は(やっぱり…)と脳内で呟く。
「心配するな! 俺が負けるわけがなかろう!」
付け加えるように「俺は無敵だからな」と胸を張る。きっと鎧の中はドヤ顔だろう。
(言うと思ったけど…)
とりあえず、目の前の生命体との対話は不可能と感じ、最後の質問に入る。
「じゃあ、これ重要なんですけど、それをやるのに、俺、必要ですか?」
正直、自慢ではないが俺の実力は村人Aに毛が生えた程度と思われた。「守護者」であるダレイドとはレベルが違うと言っていい。
「バカヤロー!」
「…!」
ダレイドはダン、とテーブルを叩いて立ちあがる。あまりの勢いに一瞬気圧された。
「一人でヒーローとかいってたら、ただの変人だろうが!」
(帰りてぇ…)
自分の力を過小評価するな! と怒鳴られるのかと一瞬でも思った自分が情けなかった
「よし! では準備が出来次第ここ集合だ! 傷薬くらい買っておけよ!」
急にゲームっぽいことをいって、ダレイドはその場で待機する。
「いや、俺は…」
「よし! では準備が出来次第ここ集合だ! 傷薬くらい買っておけよ!」
…強制イベントだった。
最初のコメントを投稿しよう!