1 ヒーローはじめました

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正直、まともな返事は期待してなかったので、無視することにした。 「じゃあ、次ですけど…。その討伐をする魔物はわかってるんですか?」 「知らん」 即答だった。が、俺は(やっぱり…)と脳内で呟く。 「心配するな! 俺が負けるわけがなかろう!」 付け加えるように「俺は無敵だからな」と胸を張る。きっと鎧の中はドヤ顔だろう。 (言うと思ったけど…) とりあえず、目の前の生命体との対話は不可能と感じ、最後の質問に入る。 「じゃあ、これ重要なんですけど、それをやるのに、俺、必要ですか?」 正直、自慢ではないが俺の実力は村人Aに毛が生えた程度と思われた。「守護者」であるダレイドとはレベルが違うと言っていい。 「バカヤロー!」 「…!」 ダレイドはダン、とテーブルを叩いて立ちあがる。あまりの勢いに一瞬気圧された。 「一人でヒーローとかいってたら、ただの変人だろうが!」 (帰りてぇ…) 自分の力を過小評価するな! と怒鳴られるのかと一瞬でも思った自分が情けなかった 「よし! では準備が出来次第ここ集合だ! 傷薬くらい買っておけよ!」 急にゲームっぽいことをいって、ダレイドはその場で待機する。 「いや、俺は…」 「よし! では準備が出来次第ここ集合だ! 傷薬くらい買っておけよ!」 …強制イベントだった。
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