僕色に染まれー第6話ー

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プシュー バスのドアが閉まり、走り出す… ブロロロロロ…… 去って行くバスを僕は結衣を背中にオンブしながら見ていた。 「どうしよう…」 辺りを見回す… 『加賀見の』 と書かれたバス停の看板を見上げる。 『11:00最終』 時刻表を見てタメ息をつく。 今、僕が見送ったバスは行き帰り合わせて本当の最終バス…… 僕が本来降りるはずだった『鷹の台前』のバス停はここより20分ほど戻った所だ… 「仕方ない…姉ちゃんに迎えに来てもらえばいいか…」 学校の保健医をやっている姉ちゃんに電話をかける… 『もひもひ~佑ちゃ~ん?』 ピッ! 何も言わず携帯を切る。 「あいつ~酔っぱらってやがる…よりにもよってこんな時に!」 怒りに携帯に向かって「バカ女!」と怒鳴る。 「んん……」 背中の結衣が起きた… 「ごめん!起こしちゃった?」 「………………」 結衣は僕の背中で気だるそうに瞼を開ける… 「ここ…は…?」 「あ、結衣が降りるバス停だよ。『加賀見』て…ここでいいんだよね?」 「……なん…で…?」 「あ、違った!?もしかして1つ先のバス停?いや1つ前だった!?」 慌てる僕を結衣は少しだけ口元を吊り上げ笑う…
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