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「次…お茶碗持つ方…」
「はいはい左ね…」
クスッと笑いながら、結衣を背中に道を左に曲がる…
「次はお箸を持つ方…」
「はいはい右ね…」
「なんで…?」
「あん?」
僕は結衣の顔を見ようと歩きながら後ろを見る…
「なんで…つっこまない…の…?右って言えや~みたいな…」
「芸人じゃないつーの」
「あ、今、つっこんだ~」
喋るのもやっとのくせして一生懸命僕と話そうとする結衣……
「結衣…いいから…少し寝てな…疲れたろ?」
「私寝ちゃったら家判らないでしょ…」
「じゃあ寝なくていいから少し眼を瞑ってなよ…無理して話さなくていいから…」
「…………………はぁい…」
クスッと笑って僕の背中に顔をつける…
「うふふ…」
「どうした?」
「なんでもな~い…」
僕は結衣をオンブしながらひたすら歩くのだった…
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