僕色に染まれー第6話ー

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バス停から15分… 『真城』 やっと結衣の家の前に辿り着く… 「結衣ついたよ…結衣?」 背中を見ると結衣はス~と寝息を立てていた。 ここまでなんとか僕に道を教えてきた結衣… 自宅を目の前にして安心したのか深い眠りについているようだ… 「それにしても…」 初めて来た結衣の家を見上げる… 「大きな家だな~」 大きくて白い家はまさしく『真城』の苗字にピッタリでまるでお城のように感じた… 「お兄さんに何て言おう…」 あのジャイアンみたいな結衣のお兄さんになんて言って説明しようか…と考えながら大きな門の横にあるチャイムを鳴らす。 ピン…ポーン… ピンポンー ピンポンー 「……………………」 結衣の家中に鳴り響くチャイムの音… しかし何分待とうが応答はなかった… 門の外から家の窓を見ると灯りは洩れている… 「あれぇ?お兄さん寝ちゃったのかな?」 何度もチャイムを鳴らすが応答は無い… すると僕の顔の横からスッと結衣の腕が伸びてきた。 「結衣?」 「か…ぎ…」 「え?」 結衣が伸ばした右手の中には鍵が握られていた……
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