第1章

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「もう蛍でてるのかな?今年はなんだか涼しいけど」 「あ、 昨日行ったけどたくさん飛んでたよ。 とっても綺麗」 ポスターを見ながら首をかしげたOLに、 別のOLが太鼓判を押す。 ね、 一緒に行きません?と半分本気で誘いをかけられて。 お店があるのでと秋月が営業用の笑みを返した。 昼間はかきいれ時と知っているから、 長居は出来ない。 名残惜しそうに出て行ったOL達と入れ替わりに、 ワイシャツにネクタイの一団が入ってくる。 「湿っぽいだけならいいが、 蒸すのがいけないねぇ」 冷房の効いた店内に、 揃ってほっとした顔をする。
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