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「この店を手放すつもりはありません」
秋月の言葉に、
夏目がはっと驚いた顔になった。
……手放す?この店を?
「父の借金は月々きちんと返済しています」
朽葉を見据えたまま秋月が言葉を続ける。
そうですね、
と朽葉が吸い物を取って一口飲み込む。
ゆっくりと味わってからおもむろに口を開いた。
「……今までの分はね」
今まで?と秋月が怪訝な顔になる。
「新しい証文が出てきましてね」
朽葉がスーツの懐から紙を取り出した。
「新しい……って、
そんな馬鹿な!」
カウンターに出されたそれを秋月が手に取る。
夏目が脇から覗き込んだ。
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