第2章

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「あ!」 秋月の車の音に夏目が顔を上げる。 階段を駆け下りて外に出れば、 ちょうど母屋の駐車場に車が止まるところだった。 「夏目?」 車から降りた秋月が、 夏目の姿を認めて目を見開く。 「秋月さん、 どうでした?」 「……ともかく証文を見てもらわない事には何とも……ただ黒木商会は、 再開発地域のあちこちに手を出してきているらしい。 どうやらうちだけじゃないようだ」 秋月が吐息を落とす。 夏目が言葉のかけようもなくその顔を見つめた。 日の沈んだ黄昏の空。 風に乗ってお囃子の音が聞こえてくる。 お祭りだ、 と夏目が耳を澄ました。 「……蛍、 見に行くか?」 そう言って、 先に立った秋月が歩き出す。
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