第2章

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「―――わ」 夏目の嘆声が上がる。 緑とも黄色ともつかない光が、 尾を引きながら舞っている。 目が慣れれば、 あそこにもひとつ、 ここにもひとつと明滅する光が目に入ってくる。 「……夏目」 流れるように飛ぶ蛍を目で追いながら秋月が言う。 「本当に……辞めてもいいんだぞ。 俺に気兼ねは要らない」 「……俺、 役に立ちませんか」 その声音に思わず振り返れば、 すぐ後ろに夏目が立っていて。 「そんなことない。 ただ、 君に迷惑がか―――」 唇を人差し指で押さえられて言葉が途切れる。 「……お願いですから、 もう」 迷惑とか言わないで、 と夏目が顔を寄せた。
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