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「―――わ」
夏目の嘆声が上がる。
緑とも黄色ともつかない光が、
尾を引きながら舞っている。
目が慣れれば、
あそこにもひとつ、
ここにもひとつと明滅する光が目に入ってくる。
「……夏目」
流れるように飛ぶ蛍を目で追いながら秋月が言う。
「本当に……辞めてもいいんだぞ。
俺に気兼ねは要らない」
「……俺、
役に立ちませんか」
その声音に思わず振り返れば、
すぐ後ろに夏目が立っていて。
「そんなことない。
ただ、
君に迷惑がか―――」
唇を人差し指で押さえられて言葉が途切れる。
「……お願いですから、
もう」
迷惑とか言わないで、
と夏目が顔を寄せた。
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