第2章

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このひとの側にいたい。 俺が、 守ってあげたい。 だって、 俺。 俺、 は―――このひと、 が。 不意に天啓のように舞い降りてきた認識。 このひとが―――好き、 なんだ。 あきづきさん、 と夏目の唇が動く。 黒い瞳に浮かぶ表情に秋月が途惑った。 「夏……」 唇から指が離されて。 なのに声が出ないのはどうしてなんだろうと、 夏目の瞳から視線を外せないままの秋月が思った。 脇にたらしたままの自分の指さえ動かせなくなって、 琥珀の瞳が大きく見開いた。
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