第1章

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そう……それだけ、 のはずなのに。   「昼になるぞ」 具合でも悪いのかと戻ってきた秋月に声をかけられて、 いえ!と夏目が慌てて立ち上がった。 十二時になると、 オフィス街からのOLとビジネスマンで町の中心街の飲食店は大賑わいになる。 「こんにちわー」 顔なじみのOL達が団体で入ってくる。 「あ、 良かった、 今日は一番乗りだ!」 狭い店はすぐに満員になり、 外に行列が出来はじめる。 「ここはお弁当とか、 やらないんですか?」 「そしたら混んでる時は買って帰るのに~」 「え、 それじゃ夏目さんの顔が見れなくてツマンナイ」 きゃらきゃらと笑う娘達に、 デザートの皿を運んだ夏目が笑いを返す。
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