そのテカリ

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勉強は嫌いだったが脳力を上げなけらば、いい高校にも大学にも行けない。まさにパラメータ社会だ。 筋力を上げてスポーツ推薦でも取ろうと思ったが、母親にも負けるようなら無理だと諦めが生じていた。 少し勉強をしては携帯で自分のパラメータが上がったかどうかの確認をして、また勉強に励む。 それの繰り返しをしていた。 「げ、全然、ステータス上がらないわ。ったく何でこんな機能作ったんだよ。」誠太郎はやる気がなくなりまたベッドに横たわる。 携帯で自分のパラメータを見つめる。 「ん?なんだ、このテカリ力(りょく)って。」今まで気づかずにいたがパラメータの画面をずっと下のほうに していくとそれはあった。 「すげー俺、テカリ力、高いんだけど。なにこれ。もしかして凄いんじゃないの。」 「かーちゃん、パラメーターのずっと下のほうに、テカリ力ってあるけどこれ何?」と早速、母にメールを 送信した。 「テカリ力? 知らないわねぇ、お母さん基本、筋力しか見ないからねぇ。」と返信がきた。 「筋力マニアかよ。」と誠太郎は声に出した。 誠太郎は他にも自分のパラメータが何か高いのがないか見てみたが他のパラメータは低いものばかりだった。 しかし、テカリ力だけが異様に高かった。 翌日、学校の友達にテカリ力って何か聞いてみた。 「誠ちゃん、やばくね、それテカリだからハゲるってことだろ。」と笑われた。 「まじかよ、テカリ力、超いらねー。」誠太郎はそんな答えだろうと思いガッカリしながら背中を猫背にして帰宅した
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