そのテカリ

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次の日、学校での年に3回ある全生徒のパラメータの提出が行われた。 このパラメータ提出で個人がどのくらい成長しているのかがわかる。 「誠ちゃん、どうパラメータ上がった?」友達が聞いてくる。 「全然だよ、もうどうでもいいやって思ってる。」とこの時期になると誠太郎は投げやりになる。 クラスは皆、その話題でざわついている。そこに先生が来た。 「峰内 誠太郎。誠太郎はいるか。」と先生は言った。 「はい。」と誠太郎は立った。 「ちょっと先生と来てくれ。」と呼び出しをくらった。 小さい会議室に案内された。パラメータが全然上がっていないことを言われると内心は暗い気持でいっぱいだ。 「誠太郎、座ってくれ。」誠太郎は先生と対面するように座った。 「誠太郎、どうして、テカリ力がこんなに高いんだ。どうやって、こんなに上げたんだ、教えてくれ。」 誠太郎は思わぬ先生の話に最初、言葉が出なかった。 「自分もどうして上げたかは、わかりません、気づいたら高かったという感じです。」 「そんなバカな! そんな簡単に上がるもんじゃないだろうテカリ力は!」と先生の口調が急に強くなった。 「すまない、つい口調が強くなってしまって。 もう政府にも情報がいってるだろう。時間の問題だ、どうやって上げたか先生に教えてほしいんだ。」 「でも本当に知らないんです、だいたい、テカリ力って何なんです。」と誠太郎はビクつきながら言った。 「本当に知らないんだな? そうか、生まれながらにして天才か。ハハ、まさか内の生徒にいるとはな。」先生は笑っていた。 「お前のそのテカリ力があれば、世界を制することが出来るよアハハハハ。」先生は壊れかけている。 「その、テカリ力が知りたいんですが。」誠太郎はテカリ力が何なのか知りたかったが1秒でも早くこの場を立ち去りたかった。 ちょうど学校のチャイムが鳴り、クラスから出て帰宅する生徒たちの騒めき声が廊下に響いていた。 先生は相変わらず1人で何かを言っては笑うの繰り返しだったので、スキを見て会議室を出て走って帰宅した。
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