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満開の桜並木と賑やかな笑い声が響く校庭。
門前に1人佇む俺を、すれ違う新入生が怪訝そうに伺う。
だが、今の俺には、それに構う程の心のゆとりも無ければ、声を掛ける勇気も無い。
こんなんでよく俺は今迄生きていたものだ、と時々訳もなく自分を褒めてみる。
……うん、意味無いなこれ。
取り敢えず、このままここにいても時間の無駄だとようやく気付いた俺は、これから3年間お世話になるであろうこの悪夢の学舎へと、歩を進めるのであった。
「いきなりこんな出だしで良いのかこれ?」
俺の独り言は、周りの声にかき消され、俺は肩を落とし、ため息をついた。
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