2人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
幼いころ、あの日、橋の上から見た夜空は綺麗だった。
じゃあ、橋の下から見た景色はどうなるのだろう。とか思って、近所の川沿いの草むらに突っ込んだのが間違いだった。行った後から、雨がふりだした。
でもって一気に大雨ザザぶり。
――墓穴ほったな。
幸運なことに目の前の川は幅に対して流量が少なめだった、さすがに決壊しないようだ。
良かったね。でもって橋の下で雨宿りも出来るとか最高じゃないか。
ここまでくるともう最強ポジティブシンキングで行くしかないね。
あいにく携帯電話は家においてきたので、警報ごとの大災害になっても助けには来ない。さよなら、私の人生。ここでオワタ。
せめて人生で最後に食べておきたかったものは……ひらたけがいっぱい入ったパスタであった。ちーん。
「――って、ばかが」
自分で勝手に想像して死んでどうするよ。元も子もないだろアホが。
とにかく、ここでじっとしている他にない。そう思っていたときだった。
「誰も居ないところで何やっとんねん」
最初のコメントを投稿しよう!