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はーと
[そう… でもね、しょうがないんだ。]
[また悪いくせ!だめだよ!絶対に誰かに言わなきゃ!]
[…誰かって…誰に?(・・;)]
[そりゃ、他の先生とか親とか…]
[親…?]
[…まあ、とにかく、今どこにいるの!?]
[まだ教室だよ(^^;)]
[分かった!今、並木沿いのカラオケにいるから、10分でいく!絶対に待ってなよ!]
[うん…分か
ふと、由奈はメールを打つ手を止めた。
頭の中がひどく朦朧としている。
周りを見渡すと、教室の窓の一つが少しだけ空いていた。
そこから吹き付けるに微妙な肌寒さを感じると、由奈はすぐさま床に落ちていたコートを拾い、身にまとう。
一番上と下から二番目のボタンが取れていた。
転げ落ちたそれは、由奈が押さえつけられていた机の下と、もう一つは見当たらない。
秋風が外の木枝を揺らし、夕日が運動場をスクリーンのように照らしている。
やっぱ田舎だなぁーと思いつつ、心に少しだけ余裕がある自分に驚いた。
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