番外編1 薔薇の香りに魅せられ

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部屋から話し声が聞こえてくる。 障子に近いて中を覗こうと手を伸ばした。するとまた声がして、伸ばした手を引っ込めた。 それは……聞いてはいけない声だったから…… (だけど……この声は確か……) もう一度手を伸ばした。 (ダメだ! 開けるな!! ) そっと少しだけ開け中を覗いた。 (見るな!! ) 『……あぁっ! 那智…縄さん…そんなところ触らないで……』 『じゃ…抵抗しなさい……亮平……』 や……だ……なに……これ……お父様と…… (やだ!!!!) ーーーーーー ーーーー (あ…ゆ…め……) 「……はぁ~」 顔を顰めて額の汗を拭った。ついさっき帰宅していつの間にか寝てしまっていた。ふぅ~と息を吐いて、ネクタイを緩める。 あのジジィ……容赦なく俺をコキ使う。しかも面白がっているところがまた腹が立つ。 (俺を試しているのはわかってる)
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