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部屋から話し声が聞こえてくる。
障子に近いて中を覗こうと手を伸ばした。するとまた声がして、伸ばした手を引っ込めた。
それは……聞いてはいけない声だったから……
(だけど……この声は確か……)
もう一度手を伸ばした。
(ダメだ! 開けるな!! )
そっと少しだけ開け中を覗いた。
(見るな!! )
『……あぁっ! 那智…縄さん…そんなところ触らないで……』
『じゃ…抵抗しなさい……亮平……』
や……だ……なに……これ……お父様と……
(やだ!!!!)
ーーーーーー
ーーーー
(あ…ゆ…め……)
「……はぁ~」
顔を顰めて額の汗を拭った。ついさっき帰宅していつの間にか寝てしまっていた。ふぅ~と息を吐いて、ネクタイを緩める。
あのジジィ……容赦なく俺をコキ使う。しかも面白がっているところがまた腹が立つ。
(俺を試しているのはわかってる)
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