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幸也が、完全に部屋から居なくなったことを確認してからインカムに話しかけると朧の怒った声が聴こえてきた。
{零! お前、どこにいるんだよ!}
{ごめん! ちょっと訳あって、まだ寮の自分の部屋。そんな事より、お前、目立ち過ぎだ! よくその格好で学園に入り込めたなぁ? ここ関係者以外立ち入り禁止だぞ!}
{…まぁ? そこはちょっと…}
言葉を濁す朧。
{…野口先輩になにか細工でもして貰ったのか? それとも、警備員の女性を誘惑でもしたか?}
{そそそそそんなする訳ないだろう! 俺は瑞穂一途だ!}
{冗談だよ! でも、この学園の警護システムは一度見た顔は絶対忘れない 誰かがそのデータを消さない限り}
{バタバタ}
インカム越しに衝撃音が聴こえてくる。
きっと、朧が何かを落としたのだろう。
{なんてね? 警護システムにそんな機能ある訳ないだろう? それどころか、1日でデータは自動的に消去される}
{なななな!}
{俺を懲らしめようなんて10年早いよ! 朧! 今すぐ行くから裏門で待ってて}
{あぁ}
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