alone 一人で

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(そっか。零くんは、心の底から人を信用してないんだ。一人で生きって行くって決めたあの日から) 「あの? お茶冷めますよ」 「びく!?」  いつの間にか元の口調に戻った零が、湯呑を指差していた。  戦闘モードを抑え込み、彼と社長との電話の内容を思い出していた遼は、彼の指摘に一瞬反応が遅れてしまい変な声を出してしまった。 「中学生の言葉になに動揺しているんですか? 冗談なのに」 「動揺なんてしてない」  一言告げると、湯呑を手に取り、口元に持っていき、なにか毒など入ってないかにおいを嗅いでみたが、彼の言う通り緑茶のにおいがするだけで他に、変なにおいはしなかった。 「ごちそうさま。零くんは君はなんか、勘違いしてないかな? 最初に僕と伊吹を見た時から」  お茶を飲みほした遼は、机の上で腕を組み、零にこの質問をぶつけた。 ★
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