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「そんな訳で、戻るのが少し遅くなります」
「分かった。一ノ瀬には戻る前に、自分に連絡するよう伝えてくれ!」
「わかりました。では、失礼します」
Black Bird 社長室。
一夜零の迎えを頼んだ一之瀬遼の相棒、月見坂伊吹から戻るのが遅くなると連絡がきた。
理由は、本人に逃げられたから。
「社長。頼まれた資料、ここに置いてもいいですか?」
伊吹との電話を終えた黒鳥の元に、一人の男性が近づいてきた。
右手には、黒いファイルが握られている。
「……野口、早かったな」
「俺にかかればこんなの朝飯前です」
「そうだったな。お前、今日もあっちか」
「便利屋野口一として、予約が1件入ってます」
「野口。表の仕事をするのもかまわんが、本業をおろそかにだけはするなよ」
「分かってます。あくまであっちは、情報収集の為ですから。では、予約の時間が迫ってるので、失礼します」
「あぁ」
お辞儀をして部屋から出て行く野口。
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