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「uureliable 信用できない」
この英語単語を一言悲しい声で呟いて零くんは、部屋から出て行った。
そして、机には行き場をなくしたインカム。
床には、自分が零くんの額に押し付けた拳銃が落ちたまま。
「……二重人格、零くんが」
社長の口から語られた衝撃な真実に、心と体が追い付かない。
「だって、さっき自分に悲しそうな声で、信じられないと言った零くんと人を殺す事に抵抗のないあの零くんが同一人物なんて、ましてや零くん本人にはもう一人の人格の自覚すらないなんて……」
社長からの告げられた内容は、遼が想像していた内容よりあまりにも衝撃ですぐには受け入れる事ができない。けど、それよりも、いまは二人の傍に居たい。すぐには、信用して貰えないと思うけど。
「社長! 彼らをこれからも傍で見ていきたいです」
『……一ノ瀬。初めからそのつもりだ。俺も彼らを傍で見ていきたい。そして、できればもう一人の彼とも話していみたい。彼とは、気が合いそうだ』
インカムから聴こえてくる黒鳥の声は、いつもより弾んでいた。
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