past  過去

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 理由は、遼を怒らせると危険だから。  相棒である一之瀬遼は、普段は優しい。  でも、一度怒ると優しい性格が凶暴な性格に変わってしまう。   そうなると相棒である月見坂伊吹が止めに入るまで、ターゲットを殺す事になってもボコボコにするのを決してやめない。  なので、それを知っている探偵事務所の仲間は、決して彼を怒らせたりしない。  でも、たまに社長がわざと彼のことをわざと怒らせてしまうことがある。  その時は、皆、彼に近づかず、怒りが収まるのを待つ。 一度、怒ると優しい彼に戻るまで2時間かかる。  そのことをよく理解している伊吹は、手を振って遼を送り出した。 『いってらっしゃい』 『あぁそうだ伊吹。五十メートル先に無料の駐車場があるからそこで待って』 『了解。遼、お前こそ失敗するなよ』 『はぁ? お前じゃああるまえし』  逃げ出した一夜零を確保する為に彼が向かった方向に走り始めた一之瀬遼。  そして、見送り、ワゴンに乗り込みエンジンを掛ける月見坂伊吹。 ★
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