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小学4年生の頃、大好きだった両親を交通事故で亡くした。
それも、自分が学校に行っている間に。
朝もいつも通り『いってらっしゃい』と笑顔で見送ってくれた母さん。
そんな母さんに『行ってきます。母さんも父さんとお出かけ楽しんできてね』と手を振りながら返事を返した。
すると、母さんの後ろからいつもは、自分より早く家を出る父さんが少し怒った口調で現れた。
「零。早く行かないと遅れるぞ」
「大丈夫だよ。父さんも早く準備しないとデート遅れるよ」
「零!?」
自分に跳びかかろうとした父親をかわして外に飛び出した。
「行ってきます」
まさか、これが両親との最後の会話になるなんてこの時は、思いもしなかった。
「一夜君!? 親御さんが交通事故に巻き込まれて……」
_バリバリ_ガタン_バリバリ_ガタン_
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