1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ

白くて狭い個室の中、一人になれる場所。湯船に浸かってから、私のための第二回反省会が始まる。お昼まで黒板に書いてあったことが次々と白い壁に書き写されていく。 数秒のうちに白かったものが黒く変色した。こんなにも直さなければならないと思っていることがあるのか。少し頭が痛くなった気がした。 さて、昼頃に思ったのは何だったか。年上に対する態度だったか。はたまた日によって変わる食事の量の話だったか。いや、どちらも違った気がする。 そうだ、予習の事だったか。しかし今はそれを考える気分ではない。そうだな、第一回反省会を振り返ってみようか。 第一回反省会、昼休みに考えていたことについてだが、体のいい言い訳を探して当てはめているように見える。だって、睡眠時間を削って勉強している人だって実際いるのに、体力が無いだとか何とか言って自分を正当化して。 何も変えようなどと思っていないではないか。これでは反省会をする意味が無くなってしまう。こうして言い訳をして何もしないという点も、改善すべき点か。ただでさえ黒い壁が、また黒くなった。 いっその事、反省会などせずにすべての事象の言い訳を考えて、楽に生きていくというのはどうだろうか。悪いことを悪いと言わず、自分の個性にしてしまう。 そんな人生はとても楽しいに違いない。なぜならこんなに難しいことを考えないで良いのだ。他人に迷惑をかけようが、自分が一切得をしないようなことをしようが、それは自分の個性。わざわざ考える必要もない。 いや、これは無いな。人間の知能とは、失敗から学び次に生かすためのものだろう。そのような生き方をする人もいるかもしれないので、否定はしない。しないが、自分はしたくない。 同じ失敗をする人はバカな奴だと、そう教わってきた。 ならやはり、言い訳ばかりではなくこの反省点たちを改善しなくては。とは思ったが、体が熱い。思考が散漫としてきたようだ。早くここから出よう。第二回反省会も終わってしまおう。 これも、言い訳だろうか。タオルに顔を埋めてみれば、やわらかい優しい香りに包まれて、反省会のことなど頭から離れた。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!