学校での楽しいところ

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国語の点数が欲しければ、まずは本を読むことだ。と、言われることがある。その時に学生が読むのは小説だろう。 主人公に自分を重ねて、物語を楽しむと同時に、想像力を鍛えられる。新しい漢字を見る事もあるし、熟語も新しく知ることが出来るだろう。自分とは違う思考の人を知ることから成長をする時だってある。 彼女は小説を読むことが好きであった。文字を読むのが好きだとか、物語に入ることが好きだとか、そういう事ではない。 物語に入り込むことで、現実から離れることが出来るから好きなのだ。目的は同じでも、理由が違うのだ。 現実逃避に小説を読む人は意外と多いのではないだろうか。例えば、好きな人が近くに居るのに、どうしても話しかけることが出来ない自分にイライラして恋愛小説を読む。自己主張が出来ない自分が嫌いで、青春ものの小説を読む。退屈な毎日から抜け出したくてホラー、ファンタジー小説を読む。 主人公に自分を重ね、違う自分としてその世界を楽しむのだ。 もちろんただ楽しむだけに読む人は居るし、主人公と自分の間に壁を作り、全くの別人として読む人も大勢いる。先に言った方の人たちでも、授業で読む小説は、そのようには読まないだろう。そうやって楽しんでしまうと、問題を解くことが出来なくなってしまう。 これを読んでいる人がどんな目的でこの小説もどきを読んでいるかは分からない。が、彼女はただの現実逃避のために小説を読んでいる。 五月の昼休み。さっさとお弁当を食べた彼女は図書室に来ていた。 今読んでいる小説は推理もの。 先日、パソコンを開いた時に聞いた、とあるボカロ曲から読みたくなってしまったのだ。探偵とカフェは、何かつながりがあるのだろうか。今読む小説も、あの時聞いた曲も。昨日ここで読んだ小説でも、探偵さんはカフェに居たような気がする。
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