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「倍薬(ダブル)を飲み続け、食事を採らなくなった例もあります。試験の時に頭が冴えると言われる倍薬(ダブル)もあり、受験勉強中に飲み続け、試験後、突然止めてショック死というのもあります」
継続して飲み止めると、突然ショック死というのもあるのだそうだ。
「でも、危険というのは周知されていない……」
そこから開始なのかもしれない。まず倍薬(ダブル)というのがあると認める、その怖さを公開する。全面的に禁止する。
でも、この解決方法は四区ではない。四区は死区、敵対には死と同等の報復と決まっている。
「野中先輩、この接待の画像をください」
相澤が首を振って止めるが、俺は書き込んだデータを貰った。
「ホーさんにも言われましたが、印貢君は見た目で損をしていますね」
ホーは俺と一緒にいると、よく誘拐犯に間違われていた。
「黙っていると大人しい美少年なのに、動くと危険人物」
相澤が、コメントを入れていた。
「そうですよね。天神の森の天狗っていうのは、天女と見間違う色気と美貌っていうのが定番で、すごく期待してしまって」
「俺天狗ではないけど、がっかりしたんだ」
野中が正直に頷いた。
「印貢君は、さっぱりとした性格で、かなり大雑把。でも、見ていると飽きなくて、近付くと綺麗だって分かって、笑うと、底抜けに可愛い。皆が自分の物と主張するのが分かる」
ずっと傍にいて欲しい相手だと、野中が言った。よく、俺を前にして言えるものだと思う。大雑把は合っているが、他は違っている。それに、自分の物としては、俺が犬のようだから、飼ってもいいと思うだけで、人間として認められてのことだという気がしない。
「だから、行く所が無くなったらウチにおいで。もう一人増えても問題ないしね」
野中の他、兄弟五人も頷いていた。
「そうしたら三つ子なのかな。久哉と、潤哉と俺が同じ年!」
潤哉が無言で、俺を引っ張って座っている兄弟の中に入れる。そのまま、潤哉に手を引かれて腰を降ろすと。座っていた久哉の膝の上であった。
「ほら重いだろ、どけ」
そこで、脇腹をくすぐらないで欲しい。俺は笑いだすと、止まらなくなるのだ。
「ひゃあああ、ははは」
必死で避けながら逃げようとするが、五人に捕まってしまうと逃げられない。潤哉を投げ飛ばすと、やっと床に降りた。でも、すかさず中学生が、背に乗ってきた。
「ふめ?止め、ほめ?止め。ふふ、はは…………」
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