第六章 海の消える先二

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 手を懐に隠しているのは、そこに凶器があるからだ。 懐に浮かぶ大きさからすると、銃であろうか。 「クマ、行くぞ!」  クマと戦闘訓練をしていた過去を思い出す。 クマは俺の手の指示に従う。 側面からかかれと命令すると、クマが男の横に突進していた。 「弘武!逃げろ」  逃げろと言われても、ここは芝生の丘で隠れる場所がない。 伏せていても、隠れはしない。  男が銃を出した瞬間に、俺は相手に走り寄り足で銃を蹴り飛ばす。 次に、クマに腕を咬めと命令する。 男が、犬に咬まれて慌てた隙に、顔面に回し蹴り、腹部に再度回し蹴りを入れる。
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