第六章 海の消える先二

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「売人にも関係者にも同じく。気に入ったら抱く権利を貰う」  そういう権利というのは、何であろうか。 殴る蹴るは警察に捕まるが、合意で抱くでは捕まらない。 「簡単に了承しますか?」 「それは、蛇の道は蛇のようなもので、了承させるよ」  藤原家は本業はヤクザであった。 その道の者に抱かれるということは、一般人に抱かれるとは大きく異なる。 理論や理屈は全く通用せずに、その容姿と体の具合だけで評価される。 その屈辱を、学生は知らないであろう。 「だから、弘武。そっちには関わるな。弘武は、自覚はないだろうけど美人だからな。 目を付けられたくない」  クマが俺の手を舐めていた。まだ遊び足りないのであろう。 かなり尻尾を振って喜んでいるので、今の戦闘で役に立った事も褒めて欲しいらしい。 俺は、クマの頭を思いっきり撫ぜて褒めまくる。
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