第六章 海の消える先二

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「金田さん、送ってください。将嗣さんが、わざわざ行くまでもないでしょう」  クマにリールを付けると、将嗣に渡す。 クマは将嗣に飛びかかり、舐めまくっていた。 「……そうか」  でも、その前に北川に聞きたい事があった。 「北川さんは?」 「今、帰るところですよ」  金田が庭に出て来ていた。俺は、慌てて正面玄関に走ってゆく。 金田も慌てて、俺の後ろを走っていた。 「北川さん、今までモノにして高校生がいたら教えてください」  北川は、車に乗り込む手前で止まり、かなり嫌そうな顔をした。 「ガキは趣味ではないの。ヤルのは、せめて、成人式が終わった後だな」  初物がいいと言っていたのではないのか。
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