第六章 海の消える先二

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「引き換えろと?」 「そうです」  著名人の映像は、北川の興味を引いていた。 北川は車の中からタブレット端末を出すと、同じく映像データを出した。 「これ渡す。そっちも渡せ」  データを交換してみた。 「名前は偽名だろうからね。顔を見せてやるよ。 でも、ベッドの上の映像は成人向けだから見るなよ」  ベッドの上の映像は、 天井がマジックミラーになっていて、その上から撮られたものなので、 あまりはっきりとした映像ではなかった。 それよりも、個室の前で北川が接待を受けている映像の方が、 顔がはっきりしていた。 「……何人と寝たのですか?」  データ量が莫大過ぎる。
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