第六章 海の消える先二

24/26
前へ
/309ページ
次へ
「弘武、自由にさせていたのは、自己責任で行動できると信じていたからだ。 これは、その枠を超えている」  その通りだとも思うが、今は相澤にデータを送りたい。 「少しだけ待ってください。逃げません」  部屋から端末を持ってくると、データを相澤に送った。 「今のは何のデータだ?」 「中身は俺も確認していないのです。それで、解析を頼みました。 自殺と因果関係があると考えています」  守られていた世界から一歩踏み出す。それは自己責任の世界かもしれない。 興味本位で踏み出してしまい、元の世界に戻れなくなったから自殺したのではないのか。
/309ページ

最初のコメントを投稿しよう!

576人が本棚に入れています
本棚に追加