第六章 海の消える先二

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「それでは、そのデータも没収しようかな」 「待ってください……」  北川の映像データが流れていた。 ベッドの上で、叫び声と嬌声があがり、浮かび上がる白い裸体が激しく揺れていた。 「…………何だ?これは?」  エロビデオよりも酷い。 情緒もへったくれもない、ただ突かれまくり、力のない人形のように揺られていた。 声も、肺に取り込んだ空気が、内側から突かれて吐かれているようなものであった。 「……これ、水無瀬先輩だ」  別の意味で、征響が驚いていた。 「まさかサッカー部ですか?」 「いいや、前の生徒会長だよ」  そんな優等生が、こんな場所に来ていたのか。
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