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今日も一日の仕事が終わろうとしていた。
残業もないため、俺は定時に上がり会社を後にした。
しかし、家に帰っても妻がいる。
前までは香澄の笑顔を見ただけで、疲れが取れ、明日も頑張れると思った。
しかし、今では妻の顔を見るだけで疲れどころか、ストレスが増すばかりであった。
そう考えれば考えるほど、家に帰る足取りが重くなる。
――いつから、こんな風になったんだろう。
考えてみれば俺の暴走から、始まった。
でも最終的に俺は妻の事を許し、香澄の愛を取り戻せると思っていた。
しかし、離婚という結果に終わった。
恐らく、心の底では妻の不倫を許せなかったのかもしれない。
すると突然、俺のスマホから着信音が鳴り響いた。
相手は『森次』からだった。
「何だ?」
「テレビ見てるか?」
「いいや」
「まぁいい。実は都内で銀行強盗が発生した。お前の力が必要だから、すぐに来てくれ」
「場所は?」
「朝日銀行池袋支店」
森次は場所を言っただけで、すぐに電話を切った。
池袋支店といえば、ここからすぐ近くにある銀行だったので走って現場へと向かった。
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