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「事業を話したのか!?」
「話すわけないだろ。だが、八王子の鍵は渡した」
「よし、ならすぐに行って、倉庫を三鷹に移せ」
「無理だ。香澄には洗いざらい話すと言ってしまった。今更、空にしてなかったことにするのは酷じゃないか?」
「だからって、警察やマスコミに駆け込まれたらどうするんだ?」
「その為に森次と川窪がいるんだろ。世間にでるその前に握り潰せばいいだけの話さ。それに俺が捕まったとしても“優秀な弁護士”さんがついているんだ。妻がどう足掻いたって無駄な事さ」
「俺はお前の落ち着きぶりが怖い」
安原の狼狽ぶりは少し、笑えてきた。
だが、本当に笑ってはいられない状況なので、一先ずは笑うのを堪え、奴を落ち着かせた。
しかし、その“優秀な弁護士”は俺の落ち着きぶりを逆に心配した。
「なんだかさ、まだ鍵を渡しただけだが心が軽くなった気がするんだ。今まで、いつバレるかビクビクしながら暮らしてきたが、もうその心配もなくなると思うとな」
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