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早く動き出したのは強盗犯の方だった。
俺は急いで弾を装填して、もう一人の強盗犯の頭に照準を定めた。
そして何の迷いもなく、奴を撃った。
ところが強盗犯は走っていた為、銃弾は奴の左眼に命中した。
よろめく強盗犯に好機と見た機動隊は一斉に奴に襲いかかった。
俺はすぐに双眼鏡から香澄の安否を確認した。
さっきまでいた場所には香澄はいない。
探してみると、すぐに妻を見つけた。
妻は機動隊員の一人に保護され、その場から離れていた。
――良かったぁ……
俺は香澄の無事を安堵したが、今だに放心状態の妻が心配になった。
俺はすぐに降りようと、急いでエレベーターに向かったが、ドアが勝手に開いた。
森次がドアから、出てきたのだ。
「良くやったな」
ニコリと喜ぶ森次だったが、俺は奴を睨みつけた。
「話がある」
俺は森次にそう言うと、奴も内容が分かっているのか、只うんと頷いた。
本当は妻の方に駆けつけたい。
けど、その前にこいつに大事な話があった。
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