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「いいのよ。私はその為に作られたんだから」
彼女はいつも僕にそう言う。
「歳とともに忘れられる事も、汚されながら遊びに使われる事も私のお仕事なのだから、あなたが気にしなくてもいいの」
僕「でも、僕はそれが許せないんだ。そう、分かってる。きっと、多分、間違ってるのは僕だ」
彼女は人形で、この声が聞こえるこの耳も、僕の彼女へのこの扱いも、僕が一方的に間違っているのかもしれない。それでも、僕には彼女がそう見えてしまうのだ。それに……
僕「僕が見ている間だけは、君は人でいれる」
僕がそう呟くと、彼女は困った様に微笑んだ。
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